鉄分が不足すると貧血を起こしたり、めまいや疲労などにつながったりすることがありますが、鉄分不足によって起こる症状は、それだけではないのです。
・起床するときに、何ともいえないダルさがある
・わけもなくイライラが続く
・顔色が悪いと言われることが多い
など、日常でやる気が起きなかったり、メンタルにも影響が起きたりするのも鉄分不足の影響と言われます。また鉄分不足は健康以外に美容にも関係しており、シミやシワ、抜け毛などの原因になることもあります。
この記事では、鉄分不足が肌に与える影
◆大切な鉄の役割
鉄は、人体に必要なミネラルの一種です。ヒトの体に存在する鉄分の約7割は、血液中の赤血球にあるヘモグロビンの材料に使われたり、筋肉中のミオグロビンというタンパク質の構成成分となっており、体内に酸素を運ぶ大切な働きがあります。
残りの3割は、貯蔵鉄として肝臓や骨髄、筋肉など体のあちこちにストックされています。
◆現代人の半数は鉄分が不足している
鉄分が不足することで、まず問題視されるのが「貧血」です。鉄分の不足で赤血球やヘモグロビンがつくられなくなり、全身への酸素の供給が十分にできなくなると、「鉄欠乏性貧血」と呼ばれる状態になります。
鉄欠乏性貧血になると、酸素が行き渡りにくくなるので、集中力の低下や頭痛、食欲不振などが現れる他、筋力の低下や疲れやすさといった症状も生じます。
貧血によって全身が酸欠になったような状態が長く続くと、肌荒れやカサつき、くすみやハリの低下、ターンオーバーが乱れてシミやシワができやすくなったり、髪の毛にも抜け毛や切れ毛が増えたり、爪が脆くなったりなど、美容にかかわる部分にも影響が現れてくる可能性があります。
乾燥肌になり、肌荒れが起こる
鉄分が不足し、血流が悪くなると、肌の健康に必要な栄養が肌の細胞隅々まで届きにくくなり、真皮層のコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸といった、潤いを保つ成分が減少し、肌が乾燥してしまいます。
また、ターンオーバー(肌の新陳代謝)のタイミングが乱れて、角質層のバリア機能が壊れます。そこから肌が刺激を受け、肌荒れが生じやすくなります。
顔色がさえない、くすみ、くまが目立つ
血液が赤い色をしているのは、ヘモグロビンの影響です。鉄が不足すると、血液中のヘモグロビンが減少し、血液の色がくすんだ状態になります。
顔色がさえなくなり、クマが目立つなどの疲れた印象を与えてしまいます。
鉄分不足の他、睡眠不足、ストレス、栄養不足、運動不足などでも血行不良になり、くすみが生じることがあります。
肌の角質が厚くなり「ゴワゴワ」に
肌はターンオーバーと呼ばれる新陳代謝を繰り返して、肌が常に新しく生まれ変わっています。
表皮の基底層でできた、肌の新しい細胞が、分裂を繰り返しながら徐々に上へと押し上げられ、最終的に垢(あか)となってはがれ落ちていくまでが、ターンオーバーの1つのサイクルです。
この間は約28日間ですが、鉄分が不足して肌への酸素供給量が減ると、サイクルが乱れたり、長くなったりしやすくなります。すると、本来ならばはがれ落ちていたはずの角質が肌に残ってしまって厚くなり、肌がゴワゴワになってしまうことがあるのです。
「シミ」が増える
肌は、紫外線によってダメージを受けると、表皮の細胞を守ろうとしてメラニンという色素の一種をつくり出します。肌のターンオーバーが正常に行われていれば、表皮の下のほうにできたメラニンは、徐々に外側に押し上げられ、最終的にはがれ落ちます。
しかし、鉄分不足などの影響で必要な栄養が肌の細胞に届かなくなると、ターンオーバーが乱れ、メラニン色素が表皮の内部に残ったままになりシミとして残ることがあります。
肌のハリがなくなり「シワ」や「たるみ」が増える
鉄分は、真皮層に存在し、肌に弾力や潤いを与える「コラーゲン」の生成にも欠かせない栄養素です。
鉄分が不足するとコラーゲンがうまく作られなくなり、真皮中のコラーゲンは減ってしまいます。
その結果、肌のハリがなくなり、シワやたるみが増えることもあります。
「大人ニキビ」が増える
鉄分が不足している鉄欠乏性貧血になると、口角炎や口の周りに吹き出物、いわゆる「大人ニキビ」ができやすくなることがあります。血行不良によって、健康な肌を保てるだけの栄養が届かなくなった結果として、このような症状が現れやすくなると考えられます。貧血が原因でできた吹き出物は、スキンケアで取り繕っても、残念ながらあまり効果は見られないのが特徴です
◆体は栄養の争奪戦! 肌に届かせるための鉄分を摂ろう
食事などで摂取した酸素や栄養は、生命の維持に重要な臓器から使われていきます。
肌まで栄養を届かせるには、体が必要な量をしっかり摂ることが大切です。
1日に必要な鉄分の摂取量は、年代や性別によって異なります。どの年代や性別においても、鉄分が重要な栄養素であることに変わりありませんが、中でも特に必要とされるのが、成長期の子ども、そして女性です。
女性は生理が始まると、ほぼ毎月生理による出血があるため、鉄不足になりやすい傾向があります。
「日本人の食事摂取基準 2020年版」によると、生理のある女性の場合、1日当たりの鉄分の必要量は、10~14歳で10.0mg、15~29歳で8.5mg、30歳以上は9.0mgです。ただし、できることなら10~14歳は12.0mg、15~49歳は10.5mg、50歳以上は11.0mg摂取することがすすめられています。
鶏レバーなら約100g、アサリの水煮なら約30g摂取すると、1日の鉄分摂取推奨量をほぼ摂ることができます。
ちなみに妊娠中や授乳中は、生理はないものの体内の血流量が増えるなどして多くの鉄分が必要になるため、妊娠初期と授乳期には9.0mg以上、中期~後期には16.0mg以上、鉄分を摂取することが推奨されています。
なお、貧血の中で最も多い原因は食生活の乱れといわれています。偏った食生活によって鉄分が不足し、貧血になることは決して少なくありません。ダイエットなどで食事の量を減らしていたり、多忙などによって栄養バランスの偏った食事をしたりすることは鉄分不足を招くので要注意です。
十分に摂取しているつもりでも、鉄分は体への吸収率が低いため、量が足りていないこともあります。健康の維持に必要な鉄分をしっかりと摂取するには、吸収率のよい「ヘム鉄」を摂ることが大切です。
食品に含まれる鉄分には、ヘム鉄と非ヘム鉄の2種類があります。ヘム鉄は肉や魚の赤身に、非ヘム鉄は穀類や豆類、野菜、海藻類に含まれています。2つを比べるとヘム鉄のほうが吸収率がよいことが分かっています。ヘム鉄を多く含む、以下のような食品を積極的に摂取しましょう。
ヘム鉄を多く含む食品の例
・レバー(牛、豚、鶏)
・赤貝
・いわし
・かつお
・まぐろ
・さんま など
非ヘム鉄も、ビタミンCや動物性タンパク質と一緒に摂取すると、吸収率が高まります。複数の食品を組み合わせて食べることで、栄養バランスも整うので、おすすめです。
食事からだけでは十分な鉄分の摂取が難しい場合はサプリメントや栄養補助食品を利用したりして、健康と美容にとても重要な鉄分を補いましょう。
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